the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

赤い風車

おはようございます。

今日は伝記小説ムーランルージュを原作にした1952年に公開された映画「赤い風車」を観てみました。

舞台は19世紀末のフランスパリ、どこか懐かしさを感じさせる陽気な音楽の中、ひたすら踊る人々と共に始まります。そこに一人、手だけが走るように絵を描く人物がいます。びっしりと髭を生やして、黒いシルクハットを被った紳士、彼がこの物語の主人公アンリ・ドゥ・トゥルウズ・ロートレックです。

酒場に喧嘩はつきもので一喧騒あるのですが、それが静まると一人の女性が聖女のような声で4月を歌いながら階段を下ってホールに現れます。満たされない自分を語ってアンリの前から去る彼女、客が引けた後に一人だけ残された彼が立ち上がると、彼の悲しみが見えてきます。

彼の足はとても短く、幼い頃の骨折が原因でとても強いトラウマを抱えていたこと絵を描き始めたことが回想されます。

ある夜の道、警官から性悪などと言われる女性マリーを匿い同棲をはじめたことで物語は一つの山場を迎えていきます。

・雑感

1.タイトルは分からなくても誰でも一度は聞いたことのある曲がふんだんに使われていてどこか懐かしい気持ちを呼び覚ましてくれます。

2.現代でもどこかにありそうで同じものは一つとない喧騒の中の恋は様々な感情が湧き上がり、揺さぶられます。短い間に何度も何度もアンリとマリーは喧嘩するのだけど、獣のように気性の荒いマリーに惹かれるのは中毒感があってなんだか同情してしまいます。

3.とても内容の詰まった濃密な2時間が過ごせます。前半は酒と恋、後半は画家としての生き様が描かれており、やや忙しいのだけれど、それがいい。今なら片方を中心に丁寧な作品にしてしまいそうな気がする。

4.主人公アンリはとても紳士で教養があり自分の意見を述べる時の聡明さはとても見習いたいものがあります。

5.久々に強い酒と共に、アンリの好んだコニャックを飲みながら観たい映画だなと思いました。