the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

ロダン カミーユと永遠のアトリエ

おはようございます。

今日は彫刻家ロダンの没後100年を記念して、半生を描いたフランスの伝記映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」を観てみました。

今作はヴァイオリンの狂おしい響きから始まります。アトリエの中に現れるロダン、無数の白い彫刻が目につき、魂の抜け殻に囲まれているようです。

一見して充実した環境にあるようなロダン、しかし、彫刻に向き合う表情には険しさが滲み出しています。

女にモテるロダン、弟子であり愛人であるカミーユに嫉妬から契約書を書かされるものの貞実の綴りを間違えて、あなたらしいと言われてしまう。

セザンヌ、モネとの邂逅は一流を知るもの同士でしか分かり合えない雰囲気があります。

今作は妻ローズと愛人カミーユとの関係が中心にあるようだけど、ロダンの生涯の場面を切り取りながら彼の芸術に対する意識を強く感じられる映画になっていますね。

・雑感

1.口数の多い弟子は嫌われる印象があるのに、数々の言葉を受けても穏やかに受け止めるロダン、それは才能なのか愛ゆえなのかは分からないが見習うべきところがあると思う。

2.自然とそこに住む小鳥の囀りが美しい。木々の葉の緑が鮮やかすぎず、くすんだ色合いは、この世界全体が芸術の作品のように映る。

3.大きな髭で表情が見えずらく、あまり口数の多くないロダン、しかしその言葉は実に核心をついていて説得力があります。

4.夜中に一人で淡々と現実を逃避するように見たい作品だなと思いました。炭酸水で刺激的に喉を潤したくなる。