the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

ケシ畑の小さな秘密

おはようございます

今日は内戦状態下のコロンビアを舞台にしたスペイン映画「ケシ畑の小さな秘密」を観てみました。遠く離れた国を垣間見ることが出来るのは映画の大きな魅力ですね。

冒頭のシーン、朝霧の中、親子の話し声だけが聞こえてきます。父と子が薪の積まれた車の荷台に乗ったところから物語が始まります。

親子は霧に包まれた山道を今度は徒歩で登って、どこかへ向かって行きます。その時流れるBGMは静かに響くハープの音色なのに、どこか東洋的な響きを覚えます。

今作は序盤ゆっくりとした展開で物語が進行するのですが、中盤以降は均衡が崩れたように早まっていきます。

少年は少女と子犬と出会い内戦の最中、年相応のような日常を束の間に過ごしますが長くは続かず。。

時折映る景色は灰色の曇り空で、僅かに明るさがあるのに陰鬱な気持ちを抱かせます。それがこの国の当時の状況を暗喩しているようでもあります。

・雑感

鮮やかな赤い花が咲き乱れるケシ畑は見た目の華やかさとはかけ離れた悪意を内に秘めている。そのままならただの花なのに、人間が悪意を持って解き放てば悪意は燃え広がってしまう。こういうことって色々あるよなぁと。

序盤中盤は異国を思わせる映画として結構良かったのだが、終盤はやや駆け足すぎる。内戦の悲しさや嘆きは終盤にあるのだけれど、もっとゆっくりとした描写であったほうがメッセージ性は強く感じられたと思う。