the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

幸福の罪

おはようございます。

今日はとにかく重苦しい雰囲気に満ちているチェコの映画「幸福の罪」を観てみました。

日常風景の光の具合になんとも言えない厭世観みたいなものがあり、神経質になってきそうな音楽があり、強い世界観に飲み込まれていきます。

今作はとにかくスッキリしません。もやもやが膨らんでいくだけなのですが、それが癖になると言うか惹きつけられました。

足を二度骨折した蠱惑的な少女、この妄想家のような少女がだんだんと恐怖を与えてきます。そして、その少女と関係を持ったと疑われて捕まる医者、その医師の妻、その妻の元夫で医者とも友人の警官。他にも登場人物はいますが、全員背景が濃くて、個性がぶつかりあいながら物語は混沌と迷走へ向かっていきます。

・雑感

夫が捕まったことで元夫の警官に詰め寄る妻、一度頭の中を調べてもらうべきよと、罵詈雑言を浴びせられるシーンは気が狂うんじゃないかと思うくらい可哀想。

警官が友人の取り調べをしている時など、躊躇うような僅かな間の作り方がとてもリアル。登場人物が全員そういう間のようなものを持っていて、物語が深まっていると感じました。

結局、アリアドネと関係はなかったようだけど、何かあったのかも知れないと少し疑ってしまう。

愛されると言うのは素晴らしいことだが、同時にとても怖いもので呪縛のようにもなるのだなと考えさせられました。