キャロル
おはようございます。
今日は2015年にアメリカで公開されたドラマ映画「キャロル」を観てみました。
本作は雨の降る街で、とても穏やかなバックグラウンドミュージックの中で始まります。金髪でとてもハンサムな顔立ちなのに優しい目つきのキャロル、栗毛色で小動物的な可愛いらしさを持つテレーザ。どこか物悲しい響の中で、二人の硬い表情が浮かびあがります。そして、時は二人の出会いに遡って、物語が始まっていきます。
将来は写真家になりたいと思いながらデパートで働いているテレーザ、そこに娘のクリスマスプレゼントを求めて現れたキャロルに一目惚れしてしまいます。
夫との関係に冷めきっているキャロル、彼氏との関係に確信を持てないでいるテレーザはお互いの事情を知って、急速に仲が深まっていきます。
そして、キャロルは旅に行こうとテレーザを誘うのですが、闇夜の風に吹かれて少年のような表情をしたテレーザは一緒に行くと返事をするのです。
・雑感
こんなにもきめ細やかに始まって行く物語は久しぶりに見た気がします。
女性同士の恋愛と言うテーマ的に近代では奇をてらった過激な内容になりがちだったと思うけど、それをしっとりとした描写で表現し切っているのが素晴らしい。
なにより力強く印象的な存在を演じたキャロル役のケイト・ブランシェットとテレーザ役のルーニー・マーラの演技がとても素晴らしかった。
原作の小説は1950年代のものでクラシックな雰囲気なのに、とても新鮮な感覚を覚えます。
アルコールより暖かなカフェラテを飲みながら観たい映画だなと思いました。