the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

Hemingway & Gellhorn

おはようございます。

今日は2012年にアメリカで公開されたテレビ映画「Hemingway & Gellhorn」を観てみました。訳名は「私が愛したヘミングウェイ」となりますが、プライムビデオでは原題表示でした。

今作は金髪のカッコイイ年配の女性が一人、煙草に火をつけるところから始まります。彼女がヘミングウェイの三番目の妻であり、彼が愛したゲルホーンです。彼女がヘミングウェイとの出会いを語り始めると、場面は過去へ移っていきます。

父が亡くなり、母と弟と三人でキーウェストへ家族旅行。スロッピー・ジョーという酒場へ。彼をひと目見て私は思った。あの汚れた服のむさ苦しい大男は誰?と。

ヘミングウェイとゲルホーンはすぐに打ち解けて一緒に歌い、酒を酌み交わします。

酒場ではすぐに別れてしまった二人、でもその後すぐにヘミングウェイの家をゲルホーンは訪ねます。出迎えてくれたのは賢妻のポーリン、家の奥では大勢の人がいてスペインの実態を写した映画を観ながら、意見交換しています。スペインの歌を歌い、民主主義を守ろうとしていることを語ります。

そこに現れる主役のヘミングウェイ、今日は綺麗な仕立てのいい白シャツを着て、子供を抱き抱え、この前とは違った一面が見えます。

ヘミングウェイは友人からスペインへ来てくれと請われますが、賢妻が割ってはいり断りを入れます。一方、ゲルホーンは行ける者は行くべきだわと答え、ヘミングウェイは共感を覚えたような表情が浮べます。

そして、舞台はスペインへ。出会うべくして再開した二人は内戦を通じて交流を深めていきます。荒々しく感情をぶつけるように始まった交流は戦火の中で燃え上がり、二人は結ばれます。瓦礫にまみれながら愛し合う姿は人間の営みを圧縮したように濃厚で印象的です。

その後、二人は帰国してスペイン内戦の映画が公開され、ヘミングウェイはゲルホーンとの仲が妻にバレてしまい大喧嘩になります。

しかしヘミングウェイはゲルホーンの方に惹かれており、もう腹は決まった様子。一方のゲルホーンはヘミングウェイを愛していたものの、その思いは外の世界へ、戦地に出向くことを思い描き、物語は佳境を迎えていきます。

・雑感

1.ヘミングウェイがめちゃくちゃ喧嘩っぱやい。しかしこれが実に本物っぽい気がする。これが戦地を駆け回って血流のような躍動する文章を書いてきたヘミングウェイだと思いました。

2.実際に残っていたと思われる映像+モノクロのシーン+カラーで流れるシーン=での作品の作り方が素晴らしい。実に自然に新鮮に過去を現代に感じさせてくれる。

3.主演のニコール・キッドマンが強すぎる。個人的に強い女性はあまり好きじゃないのだけれど、強すぎる女性は実に魅力的に映りますね。

4.荒々しい描写、強い原液の酒を飲むヘミングウェイの姿は、実に酒を飲みたくさせる作品だなと思いました。ヘミングウェイを好きな人、躍動する文章を書きたい人にオススメしたい映画です。