the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

ボヴァリー夫人

おはようございます。

今日は何度も何度も映画化されてしまうギュスターブ・フローベールの古典的名作が原作の映画「ボヴァリー夫人」を観てみました。今回観たのは2016年に公開されたものです。

今作は薄霧の森の中、枯葉色のドレスに身を包んだ女性が一人、小走りに進んでいき、やがて苦しみに横たわるシーンからはじまります。

場面は変わって厳粛な雰囲気の中、結婚式場で先ほどの女性エマが式をあげています。別れを惜しむ父、彼女は馬車に乗って夫チャールズと共に足早に去って行きます。

エマはチャールズの家に嫁いで行くと、たびたび陰鬱な表情を浮かべるようになります。長閑な村は歩きでもすぐに行き止まりになってしまうのです。チャールズは友人達に出会うとエマを紹介しますが、その中で出会った一人レオンとキスをしてしまいます。結局、レオンは数日後に旅立ってしまいますが、抑圧されていた彼女は更なる何かを求め、内なる感情を膨らませていきます。

・雑感

1.嫁いできたばかりの彼女が自分で服が脱げず、夫が背中の紐を解き青いドレスを脱がせるシーンは何か未知の生き物が脱皮していくようで神秘的な美しさを感じました。

2.ストーリーもいいけど映像美が素晴らしい。青々としているのに陰鬱さを孕んだ森、混迷を極めたように渦巻く曇り空、光が死んでしまったかのように暗い夜闇の深さ。また衣装は新しいものなのに、とても華やかなのに、どこか時代を感じさせてくれます。

3.不倫と言うテーマ、夫人であるエマに対して否定的な意見は多いけれど、誰もが陥ってしまう可能性の一面を射ているだけで、問題はその一面を人はどう扱えばいいのかだと思う。

4.久々にウイスキーをロックで傾けながら観たくなる映画でした。