昔々、アナトリアで
おはようございます。
今日は2011年に公開されたトルコ・ボスニア・ヘルツェゴビナ合作のクライム映画「昔々、アナトリアで」を観てみました。
今作は薄暗い部屋で三人の男が談笑しているところから始まります。犬の鳴き声、灰色の空、今にも雨が降り出しそうに鳴り響く雷の音、それらが混ざり合って物語への没入感を高めてくれます。
場面は変わって数台の車が闇夜を照らしながら、見渡す限り緑色の丘に乗り付けてきます。どうやら死体が埋まっている場所を探しているらしく、男ばかりのむさ苦しさもあり雰囲気は暗いです。犯人、警官、検察、医者など中年でやや小太りの人達が集まっています。
犯人は遺体を埋めた時に酔っ払っていた為か、死体は見つからず、叱咤されます。場所を何度か変えても一向に死体は見つかりません。
そして、昔々、アナトリアで、ひどい夜を過ごした。その夜はこうして始まった…。と一人が語ります。これがオープニングと言ったところでしょうか。
・雑感
1.脈略のない無駄話のような会話が多い。しかし重要かもしれない話も入り混じり、客観的な視線で見ていることを意識させられる。この感覚は中東の映画では最近流行っている感じがするし、個人的には結構好きなんだけどレビューするのは難しいですね汗
僕がレビューした中だと「草原の実験」や「ケシ畑の小さな秘密」に雰囲気が近いかなと思います。
2.闇夜の演出が多彩であり鮮明。鮮明と言う言葉が適切か分からないが、夜の薄暗さが生々しく人を感じさせてくれる。欧米でもなく、日本でもなく、第三の神秘性を知ることが出来た気がします。
3.静かな夜に一人で寛ぎながら観たい映画だと思う。なぜだか無性にアルコールが欲しくなりました。ストーリー性より雰囲気で映画を楽しみたい人にオススメの作品かなと思います。