the longest day

アラサーが映画レビューを100本ノックしてます。基本はゆる〜く、時に真面目に。コンテンツってなんなのか紐解いていきたいと思う。

勝手にふるえてろ

おはようございます。

今日は、綿谷りささんの小説が原作の2017年に公開された日本の映画「勝手にふるえてろ」を観てみました。タイトルにパワーを感じて、久しぶりに日本の映画を観ました。

・あらすじ

今作は、24年間恋愛経験ゼロのOLヨシカが長年片思いしていた同級生の一宮(イチ)への思いを話すところから始まります。誰からも好かれるイチを遠くから見守ることで、自分はイチの周りに群がる他の人達とは違うと優越感に浸っていたヨシカ。

やや陰気な雰囲気があるものの、ヨシカはイチの話を始めると饒舌になり、その内面にある個性が浮かび上がってきます。いわゆる厨二病を拗らせたような感じなのに、時々とても鋭いことを話します。

そんな折、ヨシカは同じ会社の霧島(二)に告白されてハイテンションになります。しかし、その晩ヨシカは自宅でボヤ騒ぎを起こして、死ぬ思いをした事で、イチにもう一度会いたいと長年の恋を動かしたいと思い、同窓会を開くことを思いつきます。

そして、ついにイチと再会することになるヨシカ、物語はクライマックスを迎えていきます。

・雑感

日本の映画を観るのはずいぶん久しぶりで、最初はすごく違和感を覚えたけど、しばらくすると独特の世界観に引き込まれた。

日常の均衡が言葉と構成によって衝撃的に崩れ去っていく様は、綿谷りさの才気の片鱗が感じられる。この繊細さに触れてしまうと自分の日常に干渉してくるようで、さらに世界に引き込まれる。

海外の作品と比較すると分かりづらく感じられるかも知れないが、故郷に帰ってきたような気分になる。

人の心には、夜明けを迎えたのに、まだ明けることのない暗い感情があると思うのだけれど、それを解き放ってくれるような巧みさが、この作品にはあったと思う。素晴らしかった。

物語の前半に対してどう考えるかで評価は分かれると思うが、それが無ければこれほど後半に響いてくる作品にはならなかったと思う。

何かについて思いつめていて、胸が張り裂けそうな人にはぜひ観てほしい作品だなと思いました。